今、若返りのカギを握っているといわれているのが「オートファジー」という機能。
「オートファジーは聞いたことがあるけどよくわからない」
「何がどう美容に影響するの?」
など、オートファジーについて聞いたことはあるけど、どのような働きをしてくれるのか、どのように美容に影響するのかはわからないという人が多いのではないでしょうか。
ここでは、オートファジーの基礎知識と、活性化させるポイントについて詳しく解説します!
目次
若返りのカギ「オートファジー」とは?
オートファジーはダイエットにも影響するといわれていますが、ダイエットに限らず生きていくうえで欠かせないものなのです。
ここでは、オートファジーの基礎知識について見ていきましょう。
細胞の若さをキープ&病気を予防
オートファジーは、ギリシャ語の「オート(自動)」と「ファジー(食べる)」という言葉を組み合わせたもの。
つまり、細胞自身が成分を分解して回収する「自食作用」のことをいいます。
オートファジーは、細胞内の老廃物を回収・分解し新しいものにつくりかえる働きをしているため、細胞の若さをキープできるというわけです。
細胞の若さをキープできるため、見た目の老化を遅らせるだけでなく病気の予防にもなるのではないかと考えられています。
たんぱく質をつくり出す
オートファジーは、体内でたんぱく質をつくり出す働きをすることもわかっています。
そもそもオートファジーはたんぱく質をアミノ酸に分解していますが、その際にたんぱく質もつくり出しているのです。
人は生きていくうえで1日に約300gのたんぱく質を必要としていますが、食事から摂取できるのは80g程度。
不足している分は、オートファジーによってつくり出されたたんぱく質を利用しています。
60歳を境に働きが低下
オートファジーの機能は、実は60歳を境にどんどん低下していくことがわかっています。
オートファジーの働きが鈍くなることで細胞も老化していくため、見た目の老化はもちろん病気にも密接な関わりがあるといわれています。
60歳以降に罹るリスクが高まるアルツハイマーやがん、パーキンソン病なども、実はオートファジーの低下が関係しているとか。
オートファジーを活性化させる3つのポイント
健康の維持や老化防止にオートファジーが関係しているとなると、どうすれば活性化できるのかという点が気になりますよね。
ここでは、オートファジーを活性化させるポイントを3つご紹介します。
断食
オートファジーは、体が飢餓状態になっているときに活発に働くことがわかっています。
体に栄養が十分にある状態ではほとんど機能せず、食後しばらくすると活性化するとのこと。
つまり、オートファジーを活性化させるには、ある程度、空腹になる時間が必要なのです。
空腹の時間が長すぎると逆にオートファジーの働きが鈍くなるため、半日程度の断食をするのがおすすめです。
運動
適度な運動も、オートファジーの活性化に役立つといわれています。
激しい運動を取り入れる必要はなく、軽いウォーキングや自宅でできる筋トレなどでOK。
特に午前中は筋肉をつくりやすい時間帯のため、運動をするなら午前中がおすすめです。
歩いて買い物に行ったり、掃除に力を入れたりするのも運動としてカウントできますよ。
毎日適度に体を動かすことが大切です。
睡眠
実は、オートファジーは寝ている間に活発に働くことがわかっていますが、これは食事とも大きく関わっています。
寝ている間は食事を摂らないため、体が飢餓状態に近づきます。
早めの時間帯に夕飯を摂り、ぐっすりと眠ることで寝ている間にオートファジーが活性化するのです。
食後すぐに寝てしまうと、満腹状態で睡眠をとることになってしまうため、オートファジーの活性化は見込めません。
オートファジーの活性化を目指すなら、寝る直前の食事はNGです。
オートファジーを活性化させるプチ断食のやり方
オートファジーを活性化させるには、ある程度の空腹時間を確保するのがポイントです。
ここでは、オートファジーを活性化させるプチ断食の方法をご紹介します。
16時間の空腹時間をつくる
食事を摂ってから12時間ほどすると、血糖値が下がり「お腹がすいた」と感じます。
さらに空腹時間が続くと、オートファジーを活性化させるスイッチが入るとか!
オートファジーを活性化させるには、約16時間の断食がおすすめ。
16時間の断食をすることで内臓の負担が軽減され、血糖値やインスリンの数値も安定すると考えられています。
普段脂っこいものや夕食の時間が遅い人は、急に16時間の断食はせず、
- お腹に優しい食事を心がける
- まずは12時間程度の断食から始める
など、工夫しながら16時間の断食を目指してみてくださいね。
空腹時でも食べられるものリスト
16時間のプチ断食というと難しそうに思いますが、夜7時に夕飯を食べたら、翌日の11時には16時間が経過します。
とはいえ、断食になれないと空腹をつらく感じることもあるでしょう。
空腹時でも食べられるものもあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- ナッツ類(無塩・素焼きのもの)
- 生野菜
- チーズ
- ヨーグルト(無糖)
- ブラックコーヒー
- 緑茶
どれも大量に食べるのはNGです。
少量をよく噛み、ゆっくりと食べましょう。
水分は水や麦茶などをメインに、ブラックコーヒーや緑茶なら飲んでもOKです。
オートファジーに役立つ栄養素
オートファジーを活性化させるのに役立つ栄養素もあるんです!
ここでは、積極的に摂りたい栄養素について見ていきましょう。
ウロリチン
ザクロやベリー類に含まれる「エラグ酸」を、腸内細菌によって生成された機能性成分を「ウロリチン」と呼びます。
ウロリチンが壊れたミトコンドリアを除去し、オートファジーを活性化させることが研究で明らかになりました。
長寿遺伝子の「サーチュイン遺伝子」を活性化させる働きもあることから、若返りをサポートする成分として注目されています。
スペルミジン
細胞の生存や増殖に欠かせない「スペルミジン」。
さまざまな臓器でオートファジーを活性化させる働きがあることがわかっています。
スペルミジンはもともと人の体で生成できる成分ですが、加齢とともに生成量が減少することがわかっています。
豆類や発酵食品に多く含まれているため、積極的に摂取したいですね。
アスタキサンチン
サケやカニなどに含まれている天然の赤い成分「アスタキサンチン」。
オートファジーを活性化させるだけでなく、高い抗酸化作用や抗炎症作用があるため、若返りだけでなく疲労回復や動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
肌のうるおいを守る働きも期待されているため、オートファジーを活性化させるためだけでなく、美容のためにもぜひ摂取したい成分です。
グルコサミン
皮膚や軟骨に含まれている成分で、スムーズな関節の動きを叶える「グルコサミン」。
膝や腰の痛みを軽減するというイメージがありますが、軟骨の細胞内でサーチュイン遺伝子を活性化することがわかっています。
サーチュイン遺伝子を介してオートファジーを活性化させることも研究によりわかってきました。
カテキン
「カテキン」は緑茶や抹茶などのお茶に含まれるポリフェノールの一種。
高い抗酸化作用と血糖値の上昇を抑制する働きがあり、健康を維持するためにも必要不可欠な成分として注目されています。
カテキンの効果を実感するには、毎日継続して摂取することが好ましいです。
緑茶なら1日に1Lほど飲んでも問題ありません。
レスベラトロール
赤ワインやブドウに含まれている「レスベラトロール」。
オートファジーを活性化させるだけでなく、サーチュイン遺伝子も活性化させることがわかっています。
レスベラトロールは植物がストレスを感じたときにつくり出される成分で、強い抗酸化作用があるのが特徴です。
エイジングケアにも効果が期待されています。
食事からオートファジーを活性化して若返りを目指そう
細胞を分解・回収しながらたんぱく質をつくり、体を若返りへと導くオートファジー。
年齢とともにオートファジーの働きが弱くなりますが、質の良い睡眠や適度な運動、そして空腹の時間をつくることで働きを活性化させることができます。
まだまだ研究が行われている最中で、今後は記憶力や免疫力などについても調べていくとのこと。
今わかっていることを最大限に活用し、オートファジーの活性化を目指したいですね!